2025年受験のMWさんが合格体験記を書いてくださいましたので、掲載します!
MWさんはいつも朗らかでありながら、しっかりご自身の勉強をこなしつつ、講座運営がスムーズに運ぶように気遣いまでいただいていました✨
そんなとっても優秀な方なので、この合格体験記も非常に参考になると思います😊
自己紹介
速習クラス、1次対策(銀座校)、2次対策(青山校)、およびテイスティング単発講座を受講しました。
SAKE検定への挑戦を通じて日本酒への興味が深まり、より本格的に学びたいと決意しました。製薬会社に勤務しており、飲食業界とは全く関わりがありません。日本酒歴も短いです。ただ、学生時代に生物学を専攻していたため、酵母や発酵といった分野には昔から馴染みがあり、日本酒の製造工程を理解する上で有利に働いたと感じています。
興味があることを調べるのは好きですが、勉強、特に暗記には気が乗りません。動画を見たり問題を解いたりしながら理解を深め、気づけば自然と頭に入っているのが理想です。
受験の経緯
SAKE検定をきっかけに、日本酒への興味が芽生えました。特に心を惹かれたのは、酒米の名前です。「美山錦」や「短稈渡船」など、その響きの美しさにまず魅了されました。
それまで日本酒には門外漢でしたが、「もっと深く学びたい」と強く思うようになりました。
勢いのままSAKE DIPLOMAを受験しようと考えていたのですが、周囲の方々から「まずはワインエキスパートで、ソムリエ協会のテイスティング手法を学ぶといいよ」とアドバイスをいただき、2024年にワインエキスパートを受験、翌2025年にSAKE DIPLOMAに挑戦することとなりました。結果として、ワイン仲間と共にSAKE DIPLOMA準備を進めることができ、非常に心強く感じました。
講座選択の決め手
(速習・1次)
ずっとアカデミー・デュ・ヴァン(ADV)で学んできたこともあり、SAKE DIPLOMA受験もADVでと考えていました。最初はどのクラスを選ぶか悩みました。先輩方から「並里先生がおすすめ」と聞いていたものの、正直なところ並里先生がイケメンすぎて、“アイドル先生”と”ファンクラブ”のような授業だったらどうしよう…と少し気後れしていたのです(すみません)。
しかし、受験クラスの無料体験に参加してみると、並里先生の真摯で丁寧なご説明、そしてご一緒した皆さんの真剣な眼差しに触れ、不安はすっかり消えました。「この環境で学びたい」と、速習講座と一次講座の受講を決めました。
(2次、単発)
一次講座の真剣かつ緻密な内容に深く感銘を受けたため、二次テイスティング講座も迷わず並里先生の講座に申し込みました。一方で、他の先生のテイスティング手法も知りたいと思い、単発では複数の先生の講座を申し込みました。
日本酒の経験が少ないことを自覚していたので、受験直前の今こそが頑張りどころと考え、単発講座と模擬試験は全て受講することにしました。
一次試験の準備
予習は教本を軽く読む程度に留め、授業と演習問題に注力しました。ノートは作っても読まないことを自覚していたので、教本や講座資料に直接メモを書き込んでいきました。
先生の資料は、ダジャレやクスッと笑ってしまう写真がたくさん盛り込まれていて、ストーリー性もあり、記憶に残すための工夫が凝らされた緻密な内容でした。
もし、「試験対策なら要点・必出範囲だけまとめてくれればいいのに」と思っている方がいるなら、私の感想は少し違います。一見、試験範囲から外れているようなエピソードや写真こそが、内容への理解を深め、記憶に留めるためにとても有効だったと感じています。
自宅学習は、オンライン問題集に絞りました。その代わり、通勤時間や就寝前などスキマ時間を使って、1日300問以上をノルマとし、最終的に35,000問、正答率95%まで仕上げました。
オンライン問題集を記憶定着ツールとして最大限に活用するため、授業直後は「学習順」「解いていない問題優先」に設定しました。この設定にすると、同じ内容で問い方を変えて何回も出題されるため、反復学習により記憶に定着しやすかったからです。一通り繰り返した後は、設定をランダムに変更し、ひたすら演習を続けました。
受験講座以外では、大七講座や大七ディナーに参加しました。座学で学んでいた生酛造りについて、実際にその奥深い旨味や複雑な味わいを体験できたことは非常に価値があったと感じています。これらの実体験を通じた理解は、生酛や山廃といった伝統的な製法に関する知識を、単なる暗記ではなく、体感として腑に落ちるレベルまで深める一助となりました。
また、大七酒造(※)をはじめとする製造現場や酒造博物館の見学は、工程のリアルな流れを直接目にする貴重な機会でした。テキストで学んだ知識と実際の現場が結びつき、机上の学びを実体験として深めることができました。
※大七酒造蔵見学は限定5名だったため、大七講座と大七ディナー両方参加された方限定企画になりました。お誘いできなかった方、すみません。(並里注釈)
一次試験当日を振り返って
一次試験は試験期間2日目に受けました。少しでも早く一次試験を終え、二次試験対策の時間を長く確保したかったからです。昨年のワインエキスパート試験と同じCBT会場を選び、開始1時間前に到着。近くのカフェで最後の見直しをし、「これでやることは全てやった、バッチリ!」と自信を持って臨みました。
しかし、試験が始まると1問目から「なにこれ?」と思うような問題が続きました。普段オンライン問題集で解いていた問題とは問われる粒度が全く異なり、より細かい知識が求められます。基礎の蓄積で2択まで絞れるものの、その先は見直しを2回しても自信が持てず、「不合格かもしれない」と半ば諦めかけました。
CBT方式の画面を閉じ、「合格」の文字が表示された瞬間は、喜びというより安堵と反省の気持ちが残りました。問題集の正答率が9割を超えた時点で、細かい内容まで確認し、徹底的に潰しておくべきだったと痛感しています。
二次試験の準備
講座選択
日本酒のテイスティングはワイン以上に難しい印象があったので、受講できる対策講座はすべて、なるべく早い日程で申し込みました。
(後述しますが、この判断が自分を救うことになります)
単発講座では、並里先生に加え、他の先生方の講座も選択的に受講し、多様な視点やアプローチを吸収する機会を得ました。特に、並里先生と山内先生のコラボ講座は、感じ方や表現方法が違っても、最終的なテイスティングコメントの「選択ワード」が一致する事実に触れることができ、プロフェッショナルの共通認識を学ぶ貴重な経験でした。
模擬試験は全て並里先生の講座を取りました。毎回、私語禁止スマホ禁止の緊張感を味わえたおかげで、本番当日はむしろリラックスして臨むことができました。
自宅学習(テイスティング)
日本酒を小瓶に分けてブラインドテイスティングの練習を繰り返しました。焼酎は全く飲んだことがなく、芋と麦の香りも分からないほどでしたが、並里先生の小瓶セットの香りを毎日確認し、香りだけである程度絞り込めるよう繰り返しました。
テイスティングについては、コメントの正否が自宅では判断できないので、日本酒は特定名称と酒米、焼酎は原材料と蒸留法、アルコール度数の確認に留めました。
自宅学習(論述)
学生時代より論述の訓練を受ける機会が多かったので、形式には慣れていました。求められているのは流麗な文章ではなく、次の要点を時間内に確実に押さえることだと思います。
①設問を正確に理解する
②加点対象となる項目を、文字数内にできるだけ多く盛り込む
③減点につながる不正確な記載や誤記、文法ミスを避ける
④規程文字数の9割以上埋める。
県、酒米、焼酎については、キーワードを各10個ずつまとめました。手書きに慣れていなかったため、スピードを上げること、消しゴムを極力使わないことを意識しました。最速で1分間で何字書けるか確認しておくとよいと思います。私の場合、殴り書きでも45字しか書けないことがわかり、キーワードをすぐ想起し、構成は書きながら考えないといけないと自覚できました。
ありがたいことに、SAKE DIPLOMAの先輩が、毎日一題、論述の問題を出題くださり、継続的に論述に触れることができました。
7月中に一次をパスできたら、SAKE DIPLOMA INTERNATIONALにも出願しようと決めていました。INTERNATIONALについては別項で述べますが、改めて基本を押さえたことは、論述試験に向けて知識を体系的に維持・整理するために大きな助けとなったと感じています。
想定外!
8月は計画通りに進みましたが、9月初に職場の変化と、家族の体調不良が重なり、時間的に逼迫し、気持ちも勉強に向けられない状況となりました。受験講座も欠席のまま消化したコマがいくつもあり、正直なところ「今年は諦めるべきか」という気持ちを抱いたまま、二次試験当日を迎えました。
結果的にこうして合格体験記を書くことができましたが、直前1か月の準備ができなくても合格できたのは、3月の基礎速習や8月初の対策講座など前倒しで準備していたこと、オンライン問題集で基本を定着させていたことに尽きると感じています。
二次試験当日を振り返って
SAKE DIPLOMAの試験は午後に開催されました。午前中から準備したかったのですが、仕事の都合で到着は30分前でした。ロビーで同級生の皆さんと会い、エールを送り合えたのは心強かったです。昨年のワインエキスパート試験と同じ会場だったので、室内の雰囲気は把握していました。照明や温度も想定どおりで、対策講座と大きく異なる点はありませんでした。
論述は想定範囲内の出題で、設問を見ればキーワードが浮かびました。時間内に仕上げるのはタイトでしたが、多少の見直し時間を残せたのは良かったです。
当日17時にテイスティングアイテムが発表されます。会場から出てソムリエ協会のHPを確認すると、既に発表されていました。同級生の皆さんと感想を話しながら、開放感に浸ったのを覚えています。
おまけ:SAKE DIPLOMA INTERNATIONAL
上述の通り準備時間が取れず、INTERNATIONALの準備は9月初に打ち切り、並里先生にも早々と「今年のINTERNATIONALは諦めて、日本語の準備に注力します」と連絡しておりました。
にもかかわらず合格したことに自分でもびっくりしておりますが、準備不足故に感じたこともありましたので、参考情報として残します。
(準備したこと)
✅引き続きオンライン問題集(選択肢を見ず、回答を英語で頭に浮かべる)
✅日本語教本と英語教本を照合しながらの英単語帳づくり
記憶の穴埋めに役立ちました。意外に日本語のローマ字表記が多く、押さえなければいけない英単語は少ないと感じました。
□テイスティング選択肢の日英照合
(準備したかったのに、できなかったこと)
□英語で論述作成 →1文字も書かず・・・
良かった点を挙げると:
✅日本語で基礎ができていた
筆記試験の問題はSAKE DIPLOMAより素直で、ローマ字で答えられる問題も多く、日本語の学習がそのまま生きたと思います。
テイスティングも選択肢の意味さえわかれば、特別な準備は不要な印象です。
✅解答スピードを維持した
試験途中で、想定より解答に時間がかかっていることに気づきました。私の英語力ではどうしても日本語よりスピードが落ちます。意識的にスピードを上げることで、なんとか見直し時間を残すことができました。
✅英語力の試験ではないと割り切った
筆記試験に一字一句正確に解答することは諦め、ハイフンやつづりには大雑把に目を通しただけです。論述では「文法ミスを避ける」ことを意識して、難しい言い回しは避け、中学英語レベルで単純な構文としました。
✅解答用紙の6~8割を埋めた
文字数制限がないので、字数を気にせず書き進められます。この点は日本語より楽でした。時間も10分長く余裕があります。キーワードを思いつくだけ全て書き連ねました。
✅リラックスしていた
来年に向けた試験体験のつもりで緊張感ゼロでした。
並里先生に感謝!
頻出ポイントを丸暗記するのでもなく、反復練習をひたすら繰り返すでもなく、授業が物語のように進む中で、自然と資料が頭に入っていく――そんなスタイルは、暗記が大嫌いな私にぴったりでした。「東京島酒」と聞いて、「丹宗庄右衛門(ではない写真)」が浮かぶ方、私以外にもいらっしゃるのではないでしょうか。「イケメンのイケメシ」もしかり……クスっと笑いながら印象づける仕掛けがたくさんあったと思います。
さらに、授業後の質問にもいつまでも付き合ってくださり、LINEで質問を送るとすぐに丁寧な回答をいただけることには、感謝の言葉しかありません。「こんなに丁寧に指導してくださるのだから、サボるわけにはいかない」――その気持ちが、モチベーションの維持にもつながりました。
受験対策講座だけでなく、チーズペアリングや夏酒など、日本酒の楽しみ方も幅広く教えていただきました。素晴らしい先生にご指導いただけたこと、本当に幸せに思います。ありがとうございました。
今後の取り組み
ある日本酒業界の方が、「SAKE DIPLOMAを取った後、日本酒への興味が薄れてしまう人も多い」とおっしゃっていたのが印象に残っています。少し寂しいことだと思います。
私はむしろ、日本酒への興味がますます深まりました。これからも学びを続け、WSET SAKEや唎酒師にも挑戦するつもりです。さらに、酒蔵見学やADVの日本酒講座などにも積極的に参加し、日本酒の魅力をもっと深く体感していきたいと考えています。
ナミサトより
SAKE検定から基礎速習、本講座、二次対策へと進むいわゆる「黄金ルート」で、勉強方法も徹底して基礎を反復する、まさにお手本のような勉強スタイルでしたね。
ただ、35000問も解くというのは相当な反復量でとっても驚きました!
そのおかげで直前期の困難があってもSAKE DIPLOMAとSAKE DIPLOMA INTERNATIONALを同時合格出来たというのは、多くの受験生の参考になるストーリーだと思いました✨
探求心が旺盛なMWさんが今後も楽しく日本酒の世界を探求し続けてくださるのを、私も楽しみにしています😊✨

「山に登ったけれどまだ山があって頂上が見えない」 MWさん談 MWさん撮影画像


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