2024年銀座クラスの神谷さんが合格体験記を書いてくださいましたので、掲載いたします!
最初は味覚がもともと鋭敏でないと取れないのではないか等の不安があったとのこと、同じような不安がある方もいらっしゃいますよね。
「今後の受講生のためになれば!」と受験の様子をとっても分かりやすく書いてくださいましたので、是非参考にしていただきたいと思います✨
自己紹介
お酒好きの会社員です。
2023年に日本ビール検定2級を取ることでビールを飲むことがますます楽しくなったので、日本酒の資格にも興味を持ちました。
勉強前は、日本酒は有名銘柄なら聞いたことがあるくらい、焼酎は芋焼酎がかろうじてわかるかな?くらいのレベル感でした。
日本酒を飲む際に自分の好きな味をうまく伝えられない・選べないモヤモヤ感があり、日本酒のタイプやスタイルを学ぶことでそれを解消したいな、と思っていました。
受験の動機
2024年の年始に日本酒とフレンチのペアリング体験ディナーに参加した際、講師がソムリエと酒ディプロマの資格をお持ちで、そこではじめて酒ディプロマの存在を知りました。
お酒の資格は鋭敏な味覚や嗅覚を持っている特別な人が取るものと思っていましたが、講師の方から「勉強すれば取れますよ」と励まされてその気になりました。
酒ディプロマ受験生としての一年
1~2月 勉強方法の模索
まずはどんな内容の試験かを調べ、二次試験にテイスティングがあることが分かりました。テイスティングは独学では難しいと判断して、スクールなど色々と調べ、ナミサトクラスを発見。
立地がいいこと、平日の夜に通えて仕事と両立できそうなこと、振替制度があること、そしてもちろん先生が素敵なことが決め手となり、ナミサトクラスを選びました。
3月 ナミサトクラス受講開始
クラスは一回2時間半、前半が講義で、後半30分くらいがテイスティングです。講義パートは毎回内容がかなり盛りだくさんで大変ですが、並里先生のスライドには写真が多用してあってイメージがつかみやすかったです。時々出てくる酵母のキャラが可愛くてお気に入りでした。
講義資料をデータで共有してもらえるので復習に役立ち、次回の復習テストのために自習習慣も付きました。
スクールで提供しているオンラインの択一練習問題は、出題する単元を絞ることができるので、前回の講義の範囲だけを集中的に復習していました。毎回これを繰り返していくことで、気が付けば一次試験に必要な知識が身についていました。
テイスティングは実際のお酒を先生と味わいながら香りや味の取り方を論理的に教えてもらえたので、クラスが進むごとに少しずつ掴めるようになっていきました。やはり一から独学では難しかったと思うので、ナミサトクラスを受講してよかったと思います。
ちなみに、最初はお酒を吐き出すのになかなか慣れませんでしたが、酔っぱらうとどんどん味が分からなくなるので、二次試験までに練習しておいてよかったです。
7月 一次試験(CBTによる択一試験)
一次試験は7月20日~8月31日までの期間に、自分で試験会場を予約して日程を押さえるため、いつ受験するかは自分で決められます。
個人的には早いうちに一次試験を合格し、二次試験の勉強に使える時間を長く取りたかったので、初日の7月20日に予約をしました。同じことを考えている人も多かったみたいで、この日は結構すぐ埋まっていました。
なお出願時に一次試験を受験できる回数を1回・2回と選べますが、私は2回にしました。結局は1回目で合格できましたが、それでも心の余裕のために、2回受験を申し込んでおいてよかったです。
対策は、スクールで提供しているオンライン問題を繰り返し解くことに専念して、分からなければ講義スライドを参照していました。どちらもスマホでできるので、重いテキストを持ち歩かずスキマ時間でできるのが社会人にとってはありがたいです。コツコツと問題を解き続け、気づけば1万問以上解いていました。
試験当日、しっかり勉強したという自信があったものの、練習してきたオンライン問題と聞かれ方が微妙に違ったり、CBTのパソコンの操作感に慣れなくて戸惑いました。「こんな細かいことも聞かれるの!?」という問題もあって焦りました(なお、一次試験は受験者ごとに問題がランダムで出題されるのですが、噂では受験期間が後になるほど難しい問題が出るとか…)。見直しもしていると結構時間ギリギリになりました。
その場で合否判定がされますが、間違っていた問題はどれなのか、正解は何だったかのフィードバックは一切ないので、そこは多少スッキリしなかったです。
8月 充電期間
ナミサトクラスもなくなり、一次試験に早々に受かったことで気が抜けて、このころ勉強はいったん休憩していました。
9月 二次試験対策にシフト
そろそろ二次試験まで1か月という頃に慌てて勉強を再開しました。
テイスティング対策 日本酒
自宅練習のために、はじめはスーパーの180㎖400円くらいの小瓶を買い集めてテイスティングしました。これは大失敗で、はっきりした味わいの特徴がないためどれも同じに感じて、まったく勉強になりませんでした。
これに懲りてきちんとしたものを揃えようと、酒屋さんセレクトの練習セット(4合瓶×8本)を購入しました。生酛、山廃、酵母や米の違う純米吟醸、アル添系と、基本的なものがすべて含まれているセットで、こちらを使ってテイスティングを繰り返しました。
ナミサトクラスでもらったテイスティングシートを何枚もコピーし、瓶を紙に包んでブラインドテイスティングを繰り返しました。
できれば、本番さながらテイスティングシートからマークシートに転記するところまでやれればよかったのですが、そこは省略。その代わり、4種類を15分くらいで、設定時間を試験より短めにして練習していました。
テイスティング対策 焼酎
並里先生セレクトの焼酎セット20種類を毎日嗅ぎ比べて、判別できるように練習していました。元々焼酎は飲まない方なので、典型的な芋焼酎の香りから覚える必要がありました。正直、二次試験直前期になっても正答率50%というところで、ここはあまり仕上げられていなかったです。
並里先生の企画で合格者の方とお話しした際にも、焼酎は外したという方がちらほらいらっしゃったので、焼酎は当たったらラッキーくらいの感覚で臨みました。
論述対策
過去問の傾向から、200字の論述が2~3問出ることを想定して練習しました。一次試験である程度の知識はついていたので、それを文章としてアウトプットする練習を中心に行いました。
具体的には、1ページ200文字詰めの学習ノートを買い、テキストから出そうなテーマを拾ってとにかく書いてみる練習をしました。
論述で出そうなテーマをまとめてくれているブログなんかも参考にさせていただきました。知識として頭に入っていても漢字が書けなかったりするので、回答を考えるだけでなく書いてみることは大事だったと思います。並里先生が送ってくれた漢字練習帳も楽しく学べました!
二次試験当日(テイスティング&論述試験)
試験前
2024年の東京会場はグランドプリンスホテル新高輪でした。
当日は、テイスティングの邪魔になるような香りを一切持ち込まないように気を付けました。においが残ったり、味覚が変わってしまいそうな昼食(ネギ類や辛い物など)を避けて、あっさりした和食にしました。ハンドクリームやヘアオイルなども要注意です。
試験開始30分前に開場ですが、開場より早くホテルロビーに着くと、教本を持った受験生の人たちでいっぱいでした。座る場所もほぼ埋まっていたので、近くのカフェなどで勉強して時間どおりに来た方が良いと思います。いよいよ本番で緊張しましたが、ナミサトクラスの方と目が合って会釈したりして、一緒に頑張ってきた仲間がいる安心感で少し落ち着くことができました。
テイスティング
2024年の試験は、日本酒4、焼酎2種類のテイスティングでした。一つ目が明らかに色の濃い(=味の濃そうな)日本酒だったので、1つ目から順番にテイスティングするか、飛ばして2つ目からやるか、迷って焦ってしまい、結果的に時間をロスしてしまいました。
テイスティングシートの番号を回答用紙のマークシートに転記しなければいけないので、順番を変えるとマークミスを誘発する気がします。当日迷わないよう、自分なりの方針きっちり決めてから臨めばよかったです。
それと、メモを取っていいかわからなかったので自分の回答を全く書き留めなかったのですが、テイスティングシートの余白にメモしてよかったみたいです。テイスティングシートは持ち帰れるので、メモを取っておけば答え合わせもできます。
論述
想定どおり200文字の論述が3題出題。過去問に絡んだものも出たので、「過去問で出たものは出ない」と油断せずに押さえておいた方が正解です。
テイスティングのお酒を踏まえた問題も出ましたが、仮にテイスティングで間違えていても、論述の問題文にどのようなお酒か明記されているので間違うことはない親切設計でした。また、テイスティング試験中に、「論述試験でも使用するので、飲料を残しておくことをお勧めします」といった内容のアナウンスがありました。
そこからは、覚えたキーワードをひたすら回答に盛り込むことに徹しました。想定どおりの問題でも3問は時間ギリギリだったので、分からなくて考えている時間はあまりないと思います。美しい文章を書く必要はないので、あまり構成など考えず、思い付いたことから書きました。鉛筆書きなので、多少なら消しゴムで修正できます。
なお、後で同じ受験生と感想を話し合ったときに、自分が問題文を読み飛ばしている部分があったことに気づきヒヤリとしました。焦って問題をさっと見ただけで書き始めてしまったので、問題文はよく読むことをお勧めします。
受験後 酒ディプロマを取ってよかったこと
受験して分かったのは、酒ディプロマは「日本酒についての共通言語」を学ぶ資格だということです。
味わいや香りといった抽象的なものを言語化して共有することができ、日本酒のラベルに書かれていることが読み取れるようになるので、日本酒を飲むのが格段に楽しくなります。イベントで酒造の方と造り方や原料のお話をすることもできるようになりました。
酒ディプロマは日本酒を楽しむ人とお酒をつなぐ通訳だと思います。酒ディプロマが増えることで、日本酒を楽しむ場がもっと盛り上がっていくといいなと思います。
余談ですが、日本橋の純米酒専門 粋酔(すいすい)の店長さんは酒ディプロマを持っていて、受験中から応援していただき、合格後報告に行ったら盛大にお祝いしてくれました。こうして酒ディプロマでつながる人が増えるのも楽しいです。
日本酒にまつわるおすすめ
有名な杜氏である農口尚彦さんのドキュメンタリー映画です。杜氏と蔵人さんたちのチームワークと妥協のない厳しい仕事によって日本酒が生み出されていくのを見ると、普段いただくお酒が何倍にもありがたく貴重なものに感じます。
冒頭でざっくりと酒造りについての説明もあるので、これから酒ディプロマの勉強を始めようとする方にも良いのではないかと思います。
ナミサトより
うまく行ったことも失敗だったことも詳しく書いていただき、大変参考になる体験記でした!
神谷さんは毎回きっちり復習されて、鋭いご質問もされていたのが印象的でした✨
是非SAKE検定の講師にもチャレンジしていただきたいと思っております。
たくさん勉強されてSAKE DIPLOMAを取得された神谷さんのような方がもっともっと誇れるように、
私たち講師も頑張らないといけませんね!
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