医師 佐藤健さん 【SAKE DIPLOMA合格体験記】

ナミサトクラス卒業生

北海道でお医者さんをされている佐藤健(けん)さんに合格体験記を書いていただきました。
佐藤さんはオンラインクラスを中心にご受講いただきつつ、青山校でのリアル講義にも来ていただきました。
診療に研究に相当お忙しい中で短期・一発合格されていますので、その秘訣を是非お読みいただければと思います。

自己紹介

佐藤 健
北海道
職業:医師(大学院生)
日中は患者さんの診療に尽力し、帰宅後は2児の父として家事育児に奮闘し、夜は大学で研究などをして、夜中にお酒を楽しんでいます。

SAKE DIPLOMA受験の動機


2年ほど前にワインエキスパートの資格を取得し、ワインショップやレストランのワインリストを見るのがとても楽しくなった経験から、自分が生まれ育った「日本」の國酒である「日本酒」・「焼酎」についてももっと知りたいと思ったのがきっかけです。

受験前のレベル


ワインエキスパートの教本で日本酒の章をかじった程度で、酒米には山田錦・五百万石・美山錦・雄町があることと、特定名称酒の定義ぐらいしか覚えていませんでした。テイスティングに関しては、日頃からほとんど日本酒を飲むことがなく、素人同然でした。

並里先生との出会い


受験を申し込んだのが6月下旬で一次試験が間近
に差し迫っており、しかも教本が届くのは7月に入ってからということで、もはや独学では不可能な状況でした。インターネットでアカデミー・デュ・ヴァンのオンライン講座を見つけて申し込み、そこで並里先生の講義を拝聴しました。大変素晴らしかったので、二次試験対策の講座も多く利用させて頂きました。

利用した講座・ツール

〇オンライン


・J.S.A.SAKE DIPLOMA 受験対策オンラインアカデミー(2023年度)
・J.S.A.SAKE DIPLOMA 一次試験対策 総ざらい講座
・J.S.A.SAKE DIPLOMA 第一次試験【直前模擬テスト】 100問×3パターン
・J.S.A.SAKE DIPLOMA テイスティング集中講座
・J.S.A.SAKE DIPLOMA 二次試験<<論述対策講座・特訓編>>
・J.S.A.SAKE DIPLOMA 本番シミュレーションAセット
・SAKE DIPLOMA 二次試験対策・焼酎20種類小瓶セット【並里講師の講義動画付き】

〇現地の講座


・SAKE DIPLOMA二次試験対策:②試験頻出!アルコール添加の見極め方を学ぶ
・SAKE DIPLOMA二次試験対策:⑧・⑨ 本番シミュレーション③・④
(J.S.A.SAKE DIPLOMA 資格試験にもかなり役立つ 酒造り編〜動画を活用し、より深く酒造りを理解する〜 という大阪校の講座も受講しました)

〇書籍


・日本ソムリエ協会 教本 J.S.A SAKE DIPLOMA Third Edition

一次試験の勉強

〇特に役立った講座


私が最も活用させて頂いたのは「オンラインアカデミー」と「直前総ざらい講座」です。オンラインアカデミーの講座を進めながら、単元ごとの問題演習を解いて、まずは全単元を一周することを目標にしました。講座を一周した後に教本全体を一読し、並里先生が講義で触れていた重要部分にマーカーをしました。この作業が終わったのが7月末で、CBT受験を8月10日に設定していたため、タイトなスケジュールでした。

直前の総復習に役立ったのが並里先生の「総ざらい講座」で、全体を短時間で見直すことができるこの講座は知識の定着にとても有用でした。こちらはライブで1回受講した後に、録画講義を2倍速で2回観なおしました。手書きのノートを作る時間がなかったため、iPhoneとMacで同期している「メモ」アプリにキーワードをまとめたものを作成し、通勤時間や空き時間などでそのメモを見直す作業を繰り返しました。

〇知識の整理と反復

並里先生は「記憶の定着にはその知識に触れた“回数”が重要です」とおっしゃっていたので、とにかく直前は短時間で全体を見直すことを優先し、まとめたものを何度も見返し、試験当日もそのメモをざっと一読する作業を行いました。だいたい1時間ぐらいで全単元のキーワードを拾い上げられるようにまとめました。この勉強法が最も有効だったと思います。まとめ方の例としては、「各県のキーワードまとめ」・「酒造好適米のまとめ」・「年号まとめ」・「GIまとめ」・「焼酎まとめ」・「ペアリングまとめ」といった王道のものから、「人物名まとめ」・「神社名まとめ」・「教本の数字だけのまとめ」・「県別の酒米生産タイプまとめ」など、とりあえず直前に目に焼き付けておきたい内容のまとめも作りました。一部内容がオーバーラップするのですが、同じ内容でも違った視点でまとめることにより知識が有機的に繋がり、試験当日に思い出せる確率がアップしました。

〇直前期の過ごし方

最後の1週間は直前模擬テストを含む全範囲の模擬試験を毎日解き、間違った箇所や迷った箇所の復習と、まとめメモの復習を繰り返すことで得点率が急激に伸び、試験3日前ぐらいからは9割平均ぐらいの点数をとれるようになりました。模擬試験は時間設定もあるため、一次試験本番も同じような感覚で落ち着いて受けることができました。自己採点した感覚でも、模擬試験同様に9割前後正解できたと思います。

テイスティングの勉強


普段から日本酒や焼酎を飲むことは少なかったので、テイスティングは一次試験以上に大きなハードルであり、最も苦労した部分です。日本酒・焼酎それぞれについてお伝えします。

〇日本酒

役立った講座と教材


日本酒に関しては並里先生の「テイスティング集中講座」がなければ絶対に受かっていなかったと思います。緻密なセレクトによる計40種類のアイテムをテイスティングしたことで、非常に大きな経験値になったと思います(これを自分で揃えるのはかなり大変ですし、何を選んでいいかもわからなかったため本当に助かりました)。テーマ別の学習やテイスティングコメントの整理など、大変勉強になりました。

もうひとつ良かったのが、アカデミー・デュ・ヴァンのSAKE DIPLOMA二次試験対策・末廣セット(または澤乃井セット)についてきた二次試験の虎の巻です。テイスティングコメントのまとめを読むことでかなり知識が整理されました。

二次試験ではアイテムのテイスティングと同じぐらい「コメントの整理」がとても重要で、特定名称が当たってもコメントが大きくずれていれば合格はできません。「どういうときにこのコメントを使うのか」について、並里先生は過去の模範解答から詳細な分析をなされ、講義で伝授してくださりました。テイスティングコメント自分なりにまとめを作り、「こういう酒質のときにはこのコメントを使う」というのを覚えるように意識しました。

テイスティングができないときの工夫

実際にテイスティングできない平日の日中などもコメントのまとめを読み返し、直前には「テイスティング集中講座」の録画講義を2倍速にして、移動中などのスキマ時間に音声だけでも聞くようにして復習しました。最終的にはコメントを聞いて特定名称や酒母などが想像できるようになりました。もうひとつのヤマが「アル添の有無」で、これを外すと「特定名称」や設問の失点につながるのですが、私はこの判別が苦手でした。

東京講座の受講

そこで、アル添克服のために青山校の並里先生の生授業を受講しに東京へ行きました(試験本番の2日前)。これが本当に良くて、生授業ならではの学びが数多くありました。並里先生の一言ひとことがしっかりと脳内に刻まれる感覚があり、イソアミルアルコールの香りがわからない私に直接ホワイトボードマーカーのにおいをかがせてくださり、「磨いてない重い香りとはこういうものなのだ」と理解することができました。他の受講生の方々の存在も刺激になりました。遠方でオンラインでしか受講できない方も、是非一度現地の講義を受講してみられることをお勧め致します。

テイスティングに関してはいたずらにアイテム数を増やさず、講義を復習し、本番シミュレーションのアイテムを集中してテイスティングするにとどめましたが(というかそれ以上手を出す時間がなかったのですが)、十分に乗り切ることができました。

〇焼酎


並里先生の「焼酎20種類小瓶セット」が最強のツールだと思います。内容の詰まった講義動画と20アイテムの比較試飲で、初学者の私でも確実にレベルアップできました。焼酎は小瓶に少しずつ残しておき、試験直前はブラインドで小瓶の蓋をあけて香りをとる、という作業を何度か繰り返し、苦手なものは買い足してトレーニングしました。

論述対策


並里先生の論述対策講座を受講しました。論述の色々な型を学べて、受講して良かったと思います。二次試験対策はテイスティングに偏りがちですが、「ちゃんと一次試験の内容を復習しないとまずい」という危機感を持つ良いきっかけにもなりました。最近の傾向として焼酎は必ず出題されていたため、焼酎の範囲はしっかりと一次試験の内容を復習しました。

二次試験当日


並里先生のアドバイスで、「空腹は良くない、ただし刺激の強いものは食べないこと」と伺い、昼食は白米のみを食べて試験に望みました。本番では予想以上に緊張し、練習では20分で日本酒、5分で焼酎、残り5分で見直し、という時間配分でできていましたが、本番はそう簡単にはいかず、日本酒に25分、焼酎3分、見直し2分というかなり厳しい時間配分となりました。直前まで並里先生の二次試験講座を見直していたため、試験中は並里先生の声が脳内に響き渡っていました。というかむしろ先生と会話?している感覚で(笑)、「これは吟醸造りしていますか?→はい、これは吟醸の香りがします」とか、脳内で並里先生と会話をしながら自分を落ち着かせていました。おかげさまでセルレニン耐性やアル添は自信を持って解答できましたし、特定名称酒やコメントに関しても大きく外れることなく解答できたのではないかと思います。
論述に関しては予想外の設問ばかりでしたが、並里先生に頂いた論述を解答する際のアドバイスなどを思い出して、冷静さを保ちながら解答できたように思います。

並里先生のすごいところ


職業上様々な試験勉強を経験しているためよくわかるのですが、並里先生は間違いなく「受験指導のプロ」です。授業を受ける姿勢、記憶の仕方に関するアドバイス、試験当日の心構えなど、いずれのご指導も非常にエッセンスの詰まった内容であり、高いスキルを感じました。さらに、ご自身の日本酒・焼酎に対する知識量の深さや数々の資格・経験に基づいた深い内容の講義には感銘を受けました。質問にも丁寧にご回答頂き、本当に信頼できる先生です。そして類を見ないイケメンでいらっしゃり、直接お会いできたときには神々しささえ感じました

SAKE DIPLOMAを取得して良かったこと

日本酒の捉え方の変化

これまでは日本酒を飲んでも「なんかフルーティー」とか、「これはすごい日本酒っぽい」といった感想しかありませんでしたが、知識の習得とテイスティングのトレーニングにより、日本酒の香りや味わいの要素をこまかく分析できるようになりました。そして「日本酒ってこんなにも味わいの要素が複雑で美味しいんだ!すばらしいお酒なんだ!」と理解することができるようになりました。また、日本酒が出来るまでには、造り手の方だけでなく、米農家の方々や、日本酒醸造学の発展に尽力された歴史上の方々の努力の積み重ねであるという背景知識も学ぶことができました。

私の中で、日本酒が「日常にある何となくの一杯」から、「たくさんの人たちの魂がこもった渾身の一杯」へと変化したのです。本業には全く関係のないこと言われればそれまでですが、身近なものについてじっくり学び考えるということは、人生を豊かにする最大の喜びではないかと実感しています。

酒蔵さんの反応


最近はデパートのお酒コーナーで日本酒の販促に来ている酒蔵さんのお話を聞きながら試飲することも増えました。「若いのに日本酒飲むの?」と聞かれて、「最近日本酒の勉強を始めて、DIPLOMAもとりました」とお伝えすると、想像以上に喜んで頂けて、蔵元さんのこだわりなどたくさんのお話をしてくださり、「SNSなどでうちのお酒の発信をしてほしい」と言って頂けることもありました。

資格を取って満足するのではなく、日本酒を盛り上げる立場にあるのだと身が引きしまる想いを抱き、最近はテイスティングノートもつけはじめました。日本が誇る素晴らしい文化の一旦に触れた人間として、もっともっと勉強して日本酒・焼酎の良さを多くの人に伝えられるよう成長できればと思います。

これから受験される方々へ


私の場合は受験を決めるのが遅かったので、限られた時間での試験対策が必要でした。本業に加えて子どものお風呂や寝かしつけ、夜泣き対応など、まとまった時間集中して勉強できない日も多々ありました(泣)。それでも合格できたのは、独学ではなくアカデミー・デュ・ヴァンのカリキュラムを信じて最短ルートの勉強をしたことに尽きると思います。教本にはないお話やテイスティング技術など、講義を受けなければわからないこともたくさんありました。今後の長い人生でずっと活かしていけるスキルの獲得のための、大変有意義な自己投資になったと思います。これから受験を考えられる方の中には日々の忙しさなどを理由に受験をためらわれる方もいらっしゃるかと思いますが、短期間でも集中して頑張ればきっと合格出来ると思います!私の体験記が皆さんの背中を押す一助となれば幸いです。

並里から

通常は2月~4月辺りのスタートですから、6月下旬スタートして8月初旬に受験という短期スケジュールはとてもすごいことですが、その上お仕事の他に家事育児・大学での研究をされながらのSAKE DIPLOMA勉強だったとは驚きです。
「まずは全単元見渡す」「1回じっくり動画を観るより倍速で2回観る」など、短期での資格勉強のテクニックが詰まった体験記でとっても参考になりますね!

これだけ優秀な方ですが、お会いするととても物腰やわらかく目がキラキラした方で、診療もとても評判が良いだろうことが伝わってきます。
北海道の地に日本酒・焼酎の素晴らしい伝え手がまた一人増えたことをとっても心強く思います!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

並里直哉



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