島根県庁の佐々木文雄さんが合格体験記を書いてくださいました。
佐々木さんは受験講座でも勉強会の幹事もしてくださり、島根に戻ってからも島根県出身の偉人「嘉儀金一郎先生」の本が出れば送ってくださるなど、大変良くしていただいております。
島根のお酒の魅力を伝えるためにと受験された佐々木さんの体験記、是非お読みいただければと思います。
自己紹介
佐々木 文雄 島根県庁勤務
2019年から2022年まで島根県東京事務所に勤務し、アンテナショップ「日比谷しまね館」の立ち上げに従事
2020年通学クラス受講
受講の動機
もともとワインや日本酒はもとよりお酒が好きで、ワイナリーの葡萄収穫体験や蔵開きイベントに行ったり、旅先で酒蔵巡りをしたりしていました。また、以前、仕事で地元の蔵元さんと直接話をする機会が度々あり、酒質へのこだわり、そして経営の大変さなど酒造りへの熱い思いをよく聞いていました。
そうした時に、日本橋三越前にあった県産品のアンテナショップ「にほんばし島根館」を2020年1月に閉店し、新たに日比谷に「日比谷しまね館」を開く仕事に携わることになりました。
日本橋では店頭に立つこともあり、お客様から、「島根のお酒の特徴は?」、「生酛造りってどんな味わいなの?」、「雄町と改良雄町とではどういう違いがあるの?」など通な質問に困惑することが何度もありました。
こうした経験から、東京で島根の日本酒を売るにあたっては生半可な知識ではだめだ、本物志向のお客様としっかり向き合えるようにきちんと学ぼうと思い、お酒の名門校アカデミーデュヴァンに入校して、並里クラスを選択しました。これが、Diplomaクラス(2020年)を受講するきっかけです。
なぜ並里クラスを選択したか‼️ですが、日本酒への熱意を感じ、「清酒専門評価者」資格者であり、若い世代の先生に習うのもの新鮮な感じがして決めました。
受験勉強について
新型コロナの感染が拡大しはじめる頃に授業がスタート。最初の授業が、いきなりオンラインになり、特に自宅でのテイスティングは、きちんと香りのニュアンスが取れているのかとても不安でした。だから、対面授業になったときは何個も試飲用グラスが並び、テイスティングの仕方を一から教えていただき、「これがテイスティングなんだ!」と毎回わくわくしながら学ぶことができました。
私の祖父が蔵人だったことから、酒の造りのところに特に関心があったのですが、並里先生がご自身の蔵元での体験を下に「製麹」や「酒母」、「三段仕込み」など丁寧に教えていただき、また造りの科学的なこともわかりやすく解説していただいたので、自然と頭の中が整理されていくような感じでした。
50歳代なので暗記は大変だなという思いがありましたが、知識として学んだことを、その後でテイスティングすることでいっそう理解が深まりました。
私は、「生酛・山廃」の特徴的な香りであるヨーグルトなどの乳製品香を嗅ぎ取るのが苦手ですが、授業では並里先生に香りの感じ方を尋ねると、模範解答にはない香りも解説され、少しずつ日本酒の香りの特徴をつかめるようになっていきました。
具体的な対策
Diplomaの受験対策では、オンライン・アカデミー(受講生は無料で閲覧可)の問題を通勤電車の中など、ちょっとした空き時間を使って繰り返しやってみました。
どうしても暗記が必要な特定名称酒の生産量が多い県名順や、酒造好適米の名称、その交配されたお米の名称などは、リストを作って何度も見て覚えるようにしました。
テイスティング試験に関しては、最初のオンライン授業で送られてきたのが一合瓶だったので、これなら沢山試せると思い、JR蒲田駅前の一合瓶専門店で、授業で使われた銘柄と同一のお酒を買い、自分で回答しては模範解答と照らし合わせてみることをやりました。その時は、同じクラスの下田さんが紹介されている「テイスティングノート」を真似して作ったのがとても役立ちました。
試験当日について
目黒雅叙園での試験当日は、なんと並里先生が激励に来てくださり、会場の前でクラスのメンバーと一緒に合格を誓い合ったのが印象に残っています。
試験では、テイスティングはアル添酒など清酒の問題はクリアできたものの、焼酎を2問とも外してしまいました。時間が有るようで無いです、考えすぎや、詮索しないことが大事だと思います。選択問題は、アカデミーのアプリの問題をこなせば心配ないと思います。
論述問題は「奈良県の酒について」問うもので、全くの想定外(冷や汗が~)。正暦寺とか菩提酛とか覚えていたことを書き並べたように思います。
資格取得後の変化について
コロナ禍で日本酒のイベントが出来ない状況が続き、なかなか島根のお酒をPRする機会が訪れない中、ようやく2022年3月に横浜で島根の物産展ができました。
さっそく、地酒のPRに立ち、芳醇なタイプが多い島根のお酒の特徴を説明したり、おつまみとのペアリングを提案したりすることができ、Diplomaの学習が役立った実感が持てました。
また、他県の日本酒の特徴も学んだことで、お客様が日頃飲まれているお酒の傾向などを伺いながらお薦めすることも、私なりにできるようになったと思います。
今は、アンテナショップや県産品の販売促進の仕事から離れましたが、日々日本酒の味わいを楽しみつつ、年々進化する酒造りなどの情報にも関心を持つように心がけています。
偶然ですが、今の仕事で、ダムサイトで貯蔵した日本酒と関わる機会がありました。やはり学んだことは生かさないと思い、このお酒をどうしたら多くの方に知っていただけるだろうかと、いろいろ思案しています。
島根県のお酒について
Diplomaのテキストで島根県に関係する記載は、島根出雲杜氏、杜氏の記載があり、山廃仕込みを考案した嘉儀金一郎は島根県松江市の出身で、成年一人当当たりの日本酒消費量では上位10県にはいるなどがあります。
島根県酒造組合のキャッチフレーズは「日本酒の発祥の地しまね」。日本神話のヤマタノオロチ退治に出る「ヤシオリの酒」などの記述から、そう言われています。
そうしたこことから、酒造りの歴史ある地域で、酒質は伝統的に芳醇旨口タイプで食中酒がメインですが、今は、様々な個性的な酒造りをする蔵元も有ります。
島根を旅行される際には、ぜひ島根のお酒と合わせてみてください。
淡麗辛口タイプを飲んでみたい方は、お店で「島根のお酒でスッキリしたタイプ」とおしゃっていただくと、伝わりやすいです。
並里追記
いかがでしたでしょうか?
佐々木さんが携わった日比谷しまね館はアカデミー・デュ・ヴァン銀座校とも近く、私も何度か伺っています。
ざんねんながら佐々木さんは島根にお勤めで店舗でお会いすることは出来ないのですが、島根の地酒や特産品が買えるのはもちろん、角打ちで飲み比べなどもできますので、是非お立ち寄りください。
日比谷しまね館のサイトはこちら
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